入院生活 さん

病院が線路のすぐ前に建っているので、見舞いに来た小さい子供は電車が通過するのをよく見ている。

ある時、線路を見下ろしていた男の子が父親に興奮気味に報告した時の会話。

「すごいのが来た！」

「新幹線？」

は？

新幹線がこんな所を走るわけがない。その特殊な乗り物が大体どの辺走ってるかって、普通知ってるだろう。県を縦断・横断してたりするならまだ判るが、してないし。ってかそもそもレール？が全然違うじゃないか。ここ三本並列してるし。子供と一緒に何度も見てたのに判らんのかい。

思わず心の中で突っ込み。

聞き間違いではないと思う。ここらの路線は「シンカンセン」に音は似てない。

まあそんな間違いよりも、そのクソガキが院内を走ることのが余程気になる。よろよろの病人もいるのに危ねぇよ。親の注意が甘すぎる。

何度、足ひっかけて顔面からすっ転ばして泣かせて「ごめんね」と口では謝罪しつつ威圧感たっぷりに睨み下ろしてやろうかと。…あらヤダ、ストレスが溜まってるみたいだわ、ホホホ。

ま、私がキレる前に、その母親が今日退院してったから、もういいや。

命拾いしたな、クソガキ。